ヘビーレイン - 品評 ネタバレ無し

PSNがダウンしているため、オフラインゲームを楽しむために前々から気になっていた「ヘビーレイン」を購入しました。犯人の名前を知っていたため見送っていたのですが、ネタバレと称するレビューにはいくつか種類があったため、多分楽しめるのではないかと思いやってみる事にしました。
以下レビュー。



■■■良かった点■■■
○物語が子供向けではないため、大人でもすんなり入っていける。
○人物に関してはグラフィックは非常に高レベルで、アップになってもメッキが剥がれる事はない。
アドベンチャーゲームの正当な進化形を見る事が出来る。
○当初ジェスチャー要素は無理矢理入れただけのものと思っていたが、コントローラーを振る時はキャラクターが激しく動くシーンで求められており、同調するには良い方法だと感じた。力強くコントローラーを振り、画面上で爽快な音と共に敵が殴られたり蹴り飛ばされたりしているのを見るのは快感だった。
○ARIの操作はすぐ飽きるものの、中々いいシステムだったと思う。
○犯人は途中で怪しんだ人物だったが、明かされる時には面白いと感じた。恐らく犯人が分かる少し手前で別の人物を想起させるミスリードがあったからだと思う。意外な人物が犯人のため悪くない。
○物語はチャプター毎に分けてあり、いつでもお目当てのチャプターをやり直す事が出来る。
○ゲームを進めるとメイキング映像やイラスト資料などが閲覧出来る様になる。
○出演している役者が洋画で良く聞く人々のため、とても雰囲気に合っていた。


■■■悪かった点■■■
●ストーリーの繋がりがおかしかった。いつそんな人物を知ったのだろう?と辻褄が合わない事があった。正しく進めれば大丈夫なのかも知れないが、プレイヤーの進め方で何通りもストーリーがある事を売りにしているのだから、しっかり整合性を保って欲しかった。
●コマンドは四つ位が浮遊するが、くるくると動いているしキャラクターに隠れたりもし、さらに全て白色のためとても見辛い。格闘シーンなどのスピードが求められるシーンだと誤認してしまう。
●長押しするアイコンがブルブル震えているため、連打と勘違いしてミスする事が多かった。
●ストーリー上重要なシーンでもボタン操作を求められる時があるが、正直ボタン操作に意識が向くためセリフが頭に入らない。
●キャラクターの移動に補正がかかっている様で、意図した動きをしない場合が多い。カメラが切り替わったりしても方向が逆になったりして、しかも方向転換のモーションも長くイライラした。そもそもなぜレバーとR2の二つを使うのか疑問に思っていたが、R2だけ押しても勝手にキャラクターは障害物をリアルに避けて行く事に気付いた、R2を押し続けているだけで綺麗に部屋をまんべんなく回ってもくれる。つまりプレイヤーに映画の中にいるような感覚を持たせるため、ゲーム的なカクカクした動きをせず自然なモーションを表現するために、この様な仕様にしているのだと気付いた。それに気付いてからはR2だけ押して移動する事が多くなり、確かにレバーで強制的な移動をするよりも映画的雰囲気が損なわれていないと感じられた。そういう意味では良かった点でもあったかも知れない。
●ロードが長い。次のチャプターの主人公がアップで表示されるがあれが長い。
●キャラクターの掘り下げが浅い。主人公達がどこから来てどこへ行くのか情報が足りない気がした。特に自分のプレイではノーマン・ジェイデンがそうだった。
●ラストはもう少し派手でも良かった。自分のプレイだとそうだっただけかも知れないが。
●初期バージョンではフリーズ等の問題があった様だが、ベスト版はある程度改善されている。しかしそれでも完全に無くなった分けではないらしい。私がプレイした時は全く問題無かった。



総評
日本が未だに一枚の動かないイラストを表示し、下にウィンドウを出してテキストをダダダと表示する化石みたいなゲームで止まっている間に、海外勢がアドベンチャーゲームの正当な進化形を提示してくれた良質のゲームという印象です。そこまで面白い、革新的というわけではないのですが、進化を止めてしまった日本勢を、颯爽と追い抜いていく今の海外ゲーム業界の勢いを感じられた一本だと思います。
ストーリー重視のゲームなので何度もプレイするのには向きませんし、ゲーム自体もこれはハマるというほど面白いわけではありません。はっきり行ってしまえば2時間の映画を見た方が色々と便利なのではないかとは思いましたが、それでも日本の化石アドベンチャーにうんざりしていた人には新鮮な体験があると思います。
私はゲームは一周で十分と考えており周回プレイをしない前提でプレイをするため、こういう展開が本筋だろうという予測に沿ったプレイをしましたが、もっと自分に正直に進めば良かったかなと後悔もあります。我が子のためとはいえ自分だったらいくら何でもこんな事はやらないなと思いましたし、もっと偶像的でなくリアルな行動を取ってみたかったなと。これは私が人の子の親ではないからかもしれませんが。それとPVにもあった選択シーン、あれは本作のピークであり最大の見所(プレイ所?)だと思います。
個人的にはARIに好感を持ちましたので、今後の推理ゲームではこういった要素を取り入れていって欲しいなと思いました、これは映画には不可能なゲーム的な部分ですからね。

点数は
75
位ですね。