DLsiteで見る同人ゲーム業界の動向(一般向け) 2009年度版

前回DLsiteという同人ゲームのダウンロード販売を行っているサイトを元に、一般向け同人ゲームの2008年度の市場調査を行いましたが、
同人ゲームのダウンロード販売は如何なるものか - 火星人blog
今回も適当ではありますがやってみたいと思います。

対象にしたのは、DLsiteの一般向け、同人、検索条件は2009-01-01〜2009-12-31、作品形式指定ゲーム、ファイル形式指定アプリケーション、3月10日付けで行っています。
調べた項目は、●総タイトル数、●全体の総売り上げ、●平均販売価格、●平均DL数、●1本辺り平均売り上げの4点です。数値は四捨五入しています。
では結果をご覧下さい。

  • 総タイトル数    172本
  • 全体の総売り上げ  17,201,310円
  • 平均販売価格    820円
  • 平均DL数      85本
  • 1本辺り平均売り上げ 56,004円

となりました。

2008年とそれぞれ比較してみます。

  • 総タイトル数

2008年では総タイトル数は115本でした。前回は個人的主観によりこれは非ゲームだという物を除外しましたが、今回はしていません。といっても前回は2本位しか除外しなかったので、それを差し引いても去年は多くの同人ゲームがリリースされていたと言う事になります。

  • 全体の総売り上げ(価格 × DL数)

2009年は17,201,310円となりました。これが市場規模という事になります。2008年は12,690,930円でしたので約136%増という事になります。2009年の方がより大きなお金が動いた様です。

  • 平均販売価格(全価格の合計 ÷ 作品数)

2008年の平均価格は1,055円ですから、2009年は2割位下がっていた様です。不況の影響なのでしょうか?サークルも販売本数を稼ぐために価格を下げたのかも知れません。不況の波は同人ゲーム業界も襲っていた様です。下図は販売価格を100円区切りでグラフにした物です。

1,100円以下と200円以下が多い様です。サイトでの表示では消費税が加わるため、1,050円と105円という価格が多いと言う事でしょう。

  • 平均DL数(総DL数 ÷ 作品数)

2008年は約86本、2009年は85本でほぼ横ばいでした。しかし前回は6月に集計していたので2009年分は3ヶ月分少ないはずです。それでもほぼ同数という事は若干2009年の方が多いのかも知れませんが、ほとんど同じ位と言っていいと思います。販売価格は2割減っているのに販売本数は同じという事は、ほとんどのサークルで去年の売り上げは前年割れだったかも知れません。下図はDL数を100本区切りでグラフにした物です。

ほとんどが100DL以下となっています。1,000DLを超える様な作品はほとんど無く、目をこらすとわずかにグラフがあるのが分かります。

  • 1本辺り平均売り上げ(全体の総売り上げ ÷ 作品数 × 0.56)

平均売り上げはDLsite側の取り分を引いています。DLsiteは販売価格を決められた金額から選ぶ方式になっています。平均販売価格と近いのは800円で、引かれる金額は350円となり約44%引かれる事になります。そのため平均売り上げは
純粋な1本辺り平均売り上げ × 0.56
で出しています。
2008年は55,754円で2009年は56,004円とほぼ同額でした。市場自体は36%大きくなっているにも関わらず、一本当たりの平均売り上げが変わっていないのは、やはりゲーム価格の下落が影響しているものと思われます。

今回はこちらのサイトhttp://kogolab.jp/elearn/hamburger/統計学の知識をちょっとだけ使ってみました。紹介されている度数分布表を作成し、そこから標準偏差(S.D.)を出してみました。標準偏差というのは統計からどれ位データがばらけているかを数値で表した指標です。およそ標準偏差1つ分の中に70%のデータが、標準偏差2個分の中に95%のデータが入るそうです。2個分を超えるほど多かったり少なかったりするデータは残りの5%”特殊なデータ”と見なして良いとの事です。

となりました。
つまり95%の作品は1,992円〜0円(-では意味がないので0円)の価格帯で、585〜0DLだったと言う事になります。
そこで今度はこの標準偏差2個分以内のデータ、つまり5%という特殊なデータを除外したよくあるデータのみで計算してみました。
以下95%の作品のデータ

  • S.D.2個分内データの平均価格      約702円
  • S.D.2個分内データの平均DL数      約44本
  • S.D.2個分内データを使った平均売り上げ(702 × 44 × 0.57) 17,606円(DLsiteで700で販売すると300円(43%)取られます)

こう見てみると非常に人気のある同人サークルという特殊な例でもない限り、かなり厳しい数字になると言えるでしょう。本当にただの趣味程度という感じがします。



以上が非常に適当に集計してみた2009年度DLsite、一般向け同人ゲームの調査結果です。

総括としては、

  • 同人ゲーム業界は成長しており、より多くのお金が入ってくる様になっている
  • 全体としてゲームタイトルの低価格化が進んでいる
  • 売れているゲームは大手サークルのゲームと200円以下の低価格ゲーム

といった感じでしょうか。
1つ目は順調に業界が成長しているのではないかと思います。2つ目はやはり不況でユーザーの財布の紐が固くなっており、サークル側は売るために低価格路線を選んでいる、もしくは新しく参入して来たサークル達が、取りあえず作品が売れるという感覚を味わいたくて最安値を付けてきたという事かも知れません。3つ目はユーザーは懐が寒いので、買うゲームを大手で売れているお金が損になりにくい物を選んでいる、損をしたと思っても痛くはない最安値のゲーム選んでいる、つまり安全策を取ってきているのではないか?と思います。
入ってくるお金は増えたがそれを人気サークルがゴソッと持って行き、残ったお金を最安値で販売しているサークル達で分かち合う、そんな現状が浮かんできます。大手総取り、そんな感じでしょうね。

今回も例によって適当に調べ適当に統計学の知識を利用し適当に出した答えであり、色々間違いを犯していると本人である私が思っていますので、あんまり信用しない様にお願いします。