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累犯障害者 - 品評

品評

累犯障害者という本を読みました。

最初は一人一人の障害を持った犯罪者達を入念に掘り下げて、その人物像を浮かび上がらせるという本なのかなと思っていましたが、様々な事件を通して日本の障害者福祉の現状を深く描写している本という感じだった。

知的障害者にとって刑務所ではなく娑婆こそが刑務所であると言う事実、ろう者と聴者の手話はまるで違うものでありほとんど通じないという事実と、そこから生まれる取り調べなどでのろう者の被る不利益等、様々な事実が書かれてあり、何とも陰鬱な気分にさせられます。

日本では障害者の起こした事件に対し、マスメディアが及び腰となってあまり詳しく報道しないが、それが結果としてこの様な事実を民衆から隠す事となり、問題解決を遠ざけてしまっているという著者の主張は、差別意識が民衆に根付かないようにという配慮の元に自粛しているマスメディアにとっては皮肉な話だと感じた。

累犯障害者 (新潮文庫)
山本 譲司
新潮社
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